シンガポールの男性は優しい。ストーカーされた話

外資の会社で正社員で働いていた時の話。

 

あるプロジェクトでシンガポールのエンジニアが来日するから、明日銀座のホテルに迎えに行ってほしいと言われた。

 

自宅が近かったので私に依頼されたのだろう。

 

何度かメールや電話でやり取りしていたが、会ったことはなかった。

 

迎えに行ったら爽やかな青年がロビーで待っていた。

普通に話をしながら会社についた。

プロジェクトメンバーみんなに一つ一つお土産を持ってきてくれていた。

 

シンガポールに出張に行ったときも思ったが、多くのシンガポールの男性は優しい。

 

それからも何度か来日のたびにお土産を買ってきてくれた。

それぞれのプロジェクトメンバーに似合うものを見繕って。

お饅頭1箱、皆さんでどーぞ的な感じではなく。

それぞれの趣向に合ってるものを考えたお土産だった。

 

みんなにはぬいぐるみとか、本だったりした。

私だけiPodだったり、高価だった。

 

だけどその優しさがみんなにやさしいのか、一個人に優しいのか私は若かったので判断がつかなかった。

まぁ、私が一番プロジェクトで関わってるしなぁぐらいにしか考えてなかった。

 

そして私がシンガポールに出張に行ったときは、プライベートでいろんな場所に連れて行ってくれた。

 

彼は結婚していた。

シンガポールで妻とも一緒に食事をしている。

 

私は固定観念で、外国人は家族を大事にするので妻を裏切る行為はしないと勝手に思っていた。

 

それから一年ぐらい仕事でのやり取りがあった。

あるとき彼が妻と一緒に来日した。

 

会社のみんなで銀座で食事をすることになった。

 

銀座のアップルショップに19時待ち合わせ。

 

だが、彼は時間になっても来なかった。

 

そして20分ぐらい遅れてやっと来た。

 

数年たった今でも覚えている。

なんだか彼と妻の様子がぎくしゃくした感じだった。

 

妻は妙に彼とのラブラブぶりをアピールしていた。

 

だがその時はその理由に全く気付かなかった。

 

妻が殺気立っており、彼もその妻を気にしており、

あまり盛り上がらないまま食事会は終わった。

 

 

それから2週間たったぐらいから彼の様子が変わった。

社内メール宛にたくさんメールが来るようになった。

 

毎回ワードで3~4枚の愛の言葉。

 

最初のメールには、

はじめて会った時に一目ぼれしたこと。

食事会に遅れたのは、私に高価なネックレスのプレゼントを用意していたのを妻にばれたこと。

妻に携帯電話を壊されて、遅れるという連絡もできずにいたこと。

そして愛の言葉がたくさん。

 

 

気持ちが悪くなった。

 

 

ちょっと親切にしただけでそんな風に思われたのかと思って驚いた。

だが今考えると、日本人の女性は優しいので外国人からはモテるそうだ。

彼は勘違いしたのだろう、自分に優しいと。

 

そしてしばらくして私は会社を辞めた。

面倒なことに巻き込まれたくなかったからだ。

会社が経営統合して、派閥でもろもろ面倒くさいことになってたのも手伝って未練はなかった。